むすこ亡き後

息子の遺骨をどうするか問題

我が家にはまだ息子の遺骨があります。

なにがなんでも手元に置いておきたい!というわけではなく、どうしてあげるのが息子が最も喜ぶか・私が納得できるのか結論が出ていないからです。

夫に関しては「骨には魂が宿ってないし体は単なる入れ物だから、俺からは特に希望はない、好きにしていいよ。」と一貫したスタンスです。

「体は入れ物」という部分までは私も同感なのですが、それでもやはり息子の魂と共に一緒に生きてくれた体には感謝の気持ちを込めて最後の最後まで大切に扱いたいのです。

息子の強い強い精神力に応えるように、いつその動きを止めてもおかしくなかった体を何年も動かしてくれた息子の体。

それは本当に最期の最期まで続き、食べることが大好きな息子のために、亡くなる前日の夕方まで大好物の食べ物を吐くことなく食べさせてくれた体。

翌朝まだ日が昇る前に息を引き取り、連絡を受けて駆けつけてくれた訪問看護師さんと訪問医さんが最後のケアをしてくれた時は、しっかりした固形の便が出てきました。

あんなに下痢に悩まされていたのに。

かなり酷い心不全末期だったこと、尿が出にくくなっていたことから人相が変わるほどの膨大な浮腫み状態が予想されていたのに、ほとんど浮腫みのない美しい顔・スッキリした体のまま息を引き取りました。

息子の魂と息子の体は、本当に最高の相棒だったんだと思います。

そんな体への大きな感謝があるので、当たり前のように「夫の実家のお墓で~」みたいな決まりかたが本当に嫌。

そもそも私自身が夫の実家のお墓に入るつもりが全くないので、夫側の実家は却下です。

義両親はめちゃくちゃ良い人たちだけど、それとこれとは別。

名字は夫側に変えたし結婚後は実家より義実家にベッタリの生活をしてきたけれども、本当は名字を捨てたくなかったし心はずっと実家側で「私は◯◯家の人間だから」って言っています。

もしお墓に入るのであれば、息子と一緒じゃないのは絶対にイヤ。

夫にも「あなたとは別に一緒じゃなくても構わないけど、息子ちゃんと私を別々にしたらマジで呪うからな。」と伝えています。

夫は「自分が死んだ後になにがあろうがどうでもいいし、魂がない骨がどうなろうが興味ないしめんどくせえし勝手にしてくれよ」と言うくらいに全く執着がないので全ての決定権は私にあります。

私の実家のお墓は将来的に墓仕舞いすることが決まっていて永代供養として移してほしいお寺も親から伝えられてはいますが、今のところ妹と私の代まで引き継ぎたいという気持ちはあります。

ただ、妹は未婚で子供もいないし私は息子が亡くなり、兄の子供たちは兄の性格を考えると「ご先祖様を大事にする」とか古いものへの関心がだいぶ薄そう。

となると、私の親が入る予定の永代供養のお寺に(親とは別枠で)息子を入れさせてもらい、私が死んだときは息子と同じところに入れてもらおうか・・・などと色々考えています。

永代供養を受け入れているお寺の中では「仏教であれば宗派は問わない」」という場所もありますが、私は仏式でいくつもりはないし息子も仏式でのお葬式はあげていません。

なので宗教問わず受け入れてくれるお寺に限定されるということになります。

私の親が永代供養で入る予定のお寺は宗教問わず受け入れているところなので、とりあえず候補です。

ただ、遠方という部分がかなりネックなのと、南海トラフ地震が来た場合の危険域なのです。

いつまでも絶対に残り続けて安心安全なんて場所はこの世界にはもちろんないと理解しつつ、近々危険がくると分かってる場所にわざわざ我が子を預けるの?という感覚に。

散骨も考えるのですが、ただでさえ治療や病気でボロボロなスカスカになっていた遺骨を、散骨のために粉末状に砕かなくてはいけないのがどうしても受け入れることができず。

十分すぎるほど頑張ってくれた体をまた傷つけてしまうような感覚で。

自分のことは迷わずサクっと決めることが多いし、周りから失敗だと思われるように結果になろうが自分の選択だから全く後悔はないのですが、自分以外の人の大切なことを決めるって本当に苦しい。

特に息子の場合は、生まれたその瞬間から常に命の選択を迫られる日々だったので。

息子の精神力もすごいけれど、振り返ってみると私の精神力と行動力もえげつないものだったなと自分のことながら驚きます。

息子が亡くなって数日後、エンバーミングを終えて自宅に戻ってきた息子に会いに来てくれたママ友(病児ママ)から「あなたたち親子は本当にすごかったし、ママからは狂気を感じるほどだった。絶対に真似できない、あっぱれとしか言いようがない。」と言ってもらえた意味というか理由が最近ようやく分かってきました。

息子も私も、心から「やりきった」。

育児・介護・義両親とのやりとり等々に関して夫は戦力外だったので、「夫は仕事はすごいできるけどプライベートだとマジで役立たずだし我が子より自分が大事な人。」って本人にも義両親にも友達にも言いまくってます。

いわゆる「みえる」系の夫いわく、亡くなったあとしばらく近くに滞在してた息子の魂(であろう感覚)はもう近くにいないそう。

宇宙なのか分からないけれど、そういう感じの遠くにいるようです。

地縛霊のようにならないでよかった。

魂のほうはもう大丈夫。

体のほうは、もう少し悩まさせてもらおうと思います。

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藤子

13歳の息子を自宅で看取った40代ママ。重度の先天性心疾患だった息子が空へ還ってからの日々や、頭に浮かんだことをつらつらと。

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