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霊が視える夫

昨夜は22時か23時ころ、近所の茂みに住みついている狐ちゃんたちが大騒ぎでした。

こっちへ来てはギャー、遠くへ行ってはギャー。

うちの子が起きるから静かにしてくれ~と思っていたら『ウヴ~~~~~~』と唸り始めてしまった子。

気にしないのよ~大丈夫だからね~!と、なだめながら「犬が寝る音楽」をYouTubeで流したら、仕方なさそうに再入眠してくれました。

以前、夕方頃に狐ちゃんたちがお外のどこかで大騒ぎしていたときは、家の中から激しく威嚇吠えしたウチの子。

それまで全然鳴き止まなかった狐ちゃんたちの声がそれ以後ピターーーーーーっと止まり静寂が訪れました。

さすが猟犬、強すぎる。

頼りになるぜ。

近所の狐ちゃんの兄弟(野生)めっちゃくちゃ可愛いんですけどね。

軽井沢も鹿さんや熊さんが出る場所が変化してきているようで、ワンちゃんのお散歩中も熊鈴ならしている飼い主さんもいます。

我が家は熊鈴もスプレーも持ち歩いていませんが。

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どこかの記事にも書きましたが、夫はいわゆる「視える」人。

義母も完全に視える側の人で、義父は霊感全くないけど不思議なことや目に見えない世界の存在をちゃんと信じている人。

なので、霊だの不思議体験だのの話をしても義母は「うんうん、あるよね」的な至極当たり前のような反応をします。

夫が「マジで視える」人だと私が知ったのは、息子が1歳頃。

セカンドオピニオンを経て遠方の病院へ息子が転院し手術をおこなってもらえることになった時です。

私はまったく視えない人間。

小さい頃から怪談とか大好き(小学校図書館の怪談本たぶん制覇した)で、コックリさんやったこともあるしだけど視えた経験ゼロ。

幽霊が視える人のことを「霊感がある」と定義付けするのであれば、私は霊感ゼロ人間。

「霊感ないんですけど実は1度だけ視たことある」みたいなのをYouTubeで話してる人よく見るけど、いやいや1度だけでも視たことありゃ霊感あるんだろうよ。そもそもそんなミンナ視えてるん?

これだけ色んなものに触れてる私は1度も視たことないというのに。

行きたいなんて思わないけど、心霊スポットと言われる場所に行っても視れない自信がある。

ここまで視えないともう、私の周りにバリアでもはられてるのかと思うほどに視えない。

小学生の時にコックリさんやったことある話を夫にしたら、「え・・・コックリさんやったの?」って穢らわしいものを見るような目でものすごく嫌な顔された。

霊感ある人からしてみたらヤバいものなのかもね。

何度やってもなんも起こらなかったけど。

ただ小さい頃から直感(第六感)のようなものは働くほうで「この人、なんか違和感あるな、あんまり付きあわないほうが良さそう」とか「この場所すごく嫌な気が漂ってる」みたいなのはあります。

私レベルのものはみんなあるんじゃないかと思っています。

初対面の人に対して「なんか・・・あれ?うーーーん。」て思うことってありますよね。

第一印象への違和感。

その直感を無視して「いやいや、この人にもいいとこがあるはず!いいところを見つけよう!」と、心を頭で押さえつけると、後々絶対に失敗する。

こういう時の直感は100%正しい。

私の場合は異性関係・友人関係でもこの直感を大切にしなかったせいで数え切れないほどの失敗を重ねた(直感がマジで10割正しかった)ので、自分の直感への信頼度が異常に高いです。

夫は常に視えているという訳ではないようで、自分の意思で視えたり視えなくしたりみたいなものでもないそう。

どんなトリガーで視えてしまうのかは本人にも分からないらしい。

オーラに関しては、オーラっていうものかは分からないけれど「死が近い人」が分かるそう。

その人の周り(後ろのほうかな)を取り巻くように黒いモヤモヤがみえるんだとか。

死が近い人ほどそのモヤが濃いそうです。

薄くなることもあるらしく、「病は気から」というように、体はまだ元気でも本人の心が弱って死に近づいていくとそれに引っ張られるように体も死へむかっていき、モヤが濃くなるんだと思う、と夫は推測しています。

その人の心が元気になれば体も回復することが多分にあるように。

もちろん、どんなに心が元気で前向きでも、体側がもたずにモヤが黒くなることもあると思われます。

息子の転院先では付き添いを希望したものの、集中治療室だけは付き添い絶対NG。それ以外はお金を払えば付き添い用の母子有料個室を使わせてもらえます。

なので、息子が集中治療室にいる間だけは私の寝泊まりする場所を外部で確保しないといけません。

私は、病院から車で10分ほどの場所にあるマンスリーアパートを借りました。

遠方のため下見なんかに行けなかったので、借りてからはじめて現地を見るという状態。

行った瞬間に「え・・・ここ・・・?」。

建物自体は綺麗だし中も綺麗。

でもすごく嫌な感じがする。

周りが田畑に囲まれていて暗いからというのではなく、なんか建物全体から立ち込めるドヨーーーーンとした感じ。

なんかここは良くないぞと、私の中のセンサーが危険信号を発しています。

大学時代、高い学費で親に申し訳ないからせめてアパートは安いところでと3万円ほどのボロアパート(外階段はサビだらけ、洗濯機は外廊下、壁は汚い砂壁)に住んでいたことがあるのですが、そこはめちゃくちゃにボロくても別に嫌な感じはしませんでした。

築年数や見た目とは関係のない、いやーーーーーな感じ。

でも息子が集中治療室から出られるまでは、そこで過ごすしかない。

借りちゃったし、当時は今ほど収入もなく「借りちゃったけどやっぱホテルに泊まるわ~。ここやだもん。」なんてワガママ言える余裕もないので我慢するしかない。

一般病棟で我が子と付き添い入院したい人は母子有料個室を使う以外に道はなく、1日1万円近くするのです。

1泊2日だと、2日分支払うことになるので2万円です。

退院日は午前中には退室するのに、しっかり1日分の1万円とられます。

私一人のことにお金を無駄遣いすることはできない。

嫌な感じのマンスリーアパートで私の心臓はバクバクです。

疾患のせいで常に激早な息子の心拍数より心拍早かった気がする。

入居当日は夫も一緒にいたので部屋中を見て回り、レンタルのお布団が置いてあるロフトに登っていった時に「なんかここで寝たくないなぁ」と思いながら梯子を降りました。

その数日後に夫は仕事のため自宅へ戻り、私一人の恐怖生活開始です。

自宅へ戻る前に夫が言いました。

「ロフトに悪いのがいた。でももう出ていってもらったからとりあえずは大丈夫だよ」

は?????

それまで、ゼロではないにしても霊だのなんだのという話を夫とそんな深く話したこともなかったので、「は??????」です。

出ていってもらったって何?

幽霊に話しかけたってこと?

そのまま話を聞くと、

・ロフトにオッサンの霊が寝転んでた

・良くない系の霊ではあるけど、特別悪いことを仕掛けてくるみたいな霊でもないし弱いやつ

・でも良い霊ではないし息子のことに関しての縁起も悪いから「出てってくれ」って伝えたら(実際には念じるのだそう)、素直に出ていってくれた

・だから、とりあえず安心していいよ

なんて???

え??

なんかイヤな感じはそのオッサンだったの?

でも建物全体的にまだ怖いんですけど。

この部屋は大丈夫でも、まだどっかにはいるかもってこと?

夫的には「とりあえず、ここは大丈夫だから安心しな~(`・ω・´)ゞ」と、伝えたかったのかもしれませんが・・・。

そもそも私は、「うわ~・・・」みたいな微妙な感想は述べつつも嫌な感じがすることも夫に伝えていないし。

けれどその時は「もう大丈夫だから!」と自信満々に言う夫に対して、「ありがとう!とにかく夫が悪いものを追い払ってくれた」という感謝の気持ちと元気が出たぞという謎感覚に陥ってしまったわけです。

その後一人になってから、息子の様子と私たちの状況を報告するため義母に電話。

そこで夫(義母からすると息子)が霊を見たことと追い出してくれたらしいことを報告。

するともう義母はプリプリ!

『今からお嫁さんが一人で過ごすって場所なのに、なんでわざわざそんな怖い話を言うのかしらね!!孫ちゃんの入院だってまだ続くのに縁起でもない!!せめて全て終わってから言えばいいのに!なにを考えているのかしらあの子は!!!困った子だよ!』

とはいえ子供たち(夫とそのきょうだい)に対して一生に一度も怒ったことがない義母なので、すんごい優しい口調ですけれども。

義母も視える人なので、夫が視たことや追い出したことについては一切否定はなく日常生活の中で世間話をするかのごとくナチュラルに話が進んでいきました。

とりえあえずその事件はそのまま終わって時が過ぎ。

ぶっちゃけ視えるか視えないかなんて本人申告なわけだし、全く視えてない人が視えるフリをして金儲けをしているパターンだってあるから「夫が本当に視える人なのか」半信半疑なところはありました。

だってさ、人の弱みにつけこんで亡くなった人の霊からの伝言とかいって金取る人もいるし、前世は◯◯ですとか適当なことを言う人だって中にはいるわけじゃん。

本物もいるんだろうしそういう世界は信じているけど、視えない側からしてみたら「視える」という人の言葉が嘘か本当かなんて判断しようがないじゃん。

誰にも言ってない本人同士しか知らない昔の会話や出来事を具体的に出してきたとかなら100%信じるよ。

そもそもさ、自分以外の誰かのためにって完全無償で諸々の活動をしてきた私からしてみたら、『自分の力が誰かの助けになれば・・・』って偉そうに言ってる人が1つ2万も3万もする高価なブレスレットやら御札を売りまくってる時点で何が人助けだよ。って感じだよ我欲しかみえないわ。金に取り憑かれたらもう終わりだろ。

けど夫は別にそれでお金儲けをしているわけでもないし、周囲の人たちに公言するでもなく、まぁ自分はそういう人間なんだろうくらいの感じなので、とりあえず「視えはするんだろうな」と思っています。

息子が亡くなったことや亡くなった後、淋しい様子も悲しい様子もまったくなかったのも、この「視える」のが多少関係しているのかもなと思っています。

亡くなったときも「これが息子ちゃんの運命だったってことだ」と言っていた夫。

息子の棺の封管帯に皆でメッセージを書いた時にも、夫からは一言「またね」。

わたし一人でずっと寂しがっていた時に、あなたは平気そうにしているけれど息子ちゃんがいなくなって寂しくないのかと夫に聞いた時は

「寂しいは寂しいけど、いなくなったって感覚が別にないんだよね。」と答えていました。

夫自身が自分の入れ物(体)への執着がないことや視える感覚の持ち主であることから、意識体としての息子(魂はちゃんと生きている)をちゃんと感じているのかもしれない。

そうだといいなと信じているとかではなく、ちゃんと肌で心で感じ取っているのかもしれないなと、私もそれ以上聞くこともなく終わりました。

こんな感じで、強いわけではないけれども霊が視えるか視えないかで言えば視える側の夫。

視えるのってどんな感じなんだろう視てみたいな~と思ったこともありましたが、いろいろと夫から話を聞かせてもらった結果、今では「あ、わたしマジでとことん視えない側で良かったわ」と思っています。

その理由はまた別の記事で書こうと思います。

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藤子

13歳の息子を自宅で看取った40代ママ。重度の先天性心疾患だった息子が空へ還ってからの日々や、頭に浮かんだことをつらつらと。

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